一つの傘を、片方へ寄せる理由

雨を避けるなら、二人で寄ればいい。でも水たまりを跨ぐには離れたい。009はその二つを、足と傘の同じ座標上で扱う小さなゲームにした。

技術の核は相対座標。二人の中心をc、間隔をdとすれば、足はc-d/2とc+d/2。人物半径3、傘の半幅18なので、両方を守れる最大間隔は30になる。中心点だけを見る判定だと、傘から肩が出ていても守れてしまう。描画した身体と保護枠が同じ寸法を使うようにした。

楽しさの仮説は「今は近づく、次は離す、そのときだけ片方に傘を貸す」が地面を見て分かること。入力を複雑にするために傘を動かしたくない。左右と上下で二人を動かし、SPACEで傘の寄せ先を3つから選ぶ。位置は滑らかに移り、反射的な6キー操作にはしない。

比較では、橋も広い幅128の基準版を残した。モデルで最小間隔のまま左端へ寄せ続けると、三つの道すべてを濡れずに帰れた。傘の使い分けが不要になる。この観測を受け、B/Cの橋だけを幅56へ狭めた。幅28の水たまりと両側14ずつの縁では、身体幅6の二人を最小間隔12のまま同じ側へ並べられない。手すりと先細りを見せてから入口へ進む。配置が間に合わなければ、濡らさず停止して戻せる。

変更後、中央の傘だけで距離を合わせる方策はB/Cで左右とも28.8濡れた。雨側へ傘を寄せる自動方策は三つとも0だった。一方Aには端を歩く無傷の別解が残る。導入の安全策まで不自然に罰することはしなかった。自動成功は入力の意味と可解性の確認であり、人が楽しいと感じた証拠ではない。

別の監査で、全面雨の広い道の端から次の橋へ戻る乾いた帯60フレームが短いと分かった。最小間隔で端の中心9から安全に跨ぐ位置へ戻るだけでも64フレームほど必要になる。そこでその帯だけ90フレームに伸ばし、両端からの到達テストを追加した。橋から全面雨へ戻る60フレームは、距離42→20に37、傘12→0に15フレームで、同時操作なら余裕がある。基準幅の比較と移行時間修正は別の変更として記録した。

文字の読み込みもゲームの一部だ。字形JSONは必ずUTF-8を指定し、cp932が既定だった場合、日本語と空白のあるパス、別の作業ディレクトリで起動する条件を検査した。実Windowsの表示確認と同じとは言わない。

最初の3作への実際の好評を、この作品の評価に移してはいない。009で人に聞きたいのは「なぜ片方へ傘を寄せた？」「次の全面雨の前に何を戻す？」。操作を覚える負担の方が大きいなら、危険を増やすより表示や入力の見直しが先だ。人による楽しさはまだ未確認。
