【note原稿／未投稿】聞こえた場所と、いまいる場所は違う。「静かな足音」

見張りを避けるとき、静かにするのがいつも正解とは限りません。
今回の小さな書庫では、布・板・金属で足音の届く距離が変わります。一度だけ金属を踏み鳴らし、棚の裏へ曲がる。見張りは聞いた場所を覚えていますが、曲がった先の居場所までは知りません。

作ったのは反射神経の試験ではなく、1歩ごとに止まって考えられる潜入ゲームです。矢印で歩き、SPACEで待ち、Zで踏み鳴らす。捕まったらXで、敵の記憶も含めて一手戻せます。黄色い帳面を拾って、出口へ持ち帰るだけの短い3状況です。

赤茶色の床は視野、黄色い点は届いた音の道、目や耳の輪は覚えている場所。相手の行動理由を隠さず、「見えているなら目を優先する」「見失ったら最後の場所へ向かう」という小さな規則にしました。描いた視野と判定は同じ関数を使い、棚の角越しに不自然に見える抜け道も防いでいます。

Aでは踏み鳴らしで上へ誘い、下側から帳面を回収する17手を確認しました。ただし音は必須ではありません。足を止め、巡回を読んで通り抜ける方法も残しています。音を立てるほど有利なのではなく、相手をどこへ向けたいかが大切です。

制作中の比較では、金属の音だけを6から3に変えました。Cの同じ6手目で、大きい音なら見張りが上へ向かい、小さい音なら巡回を続けます。両方で成功でき、経路も変わります。これは一項目だけを変えた比較用の反実仮想で、過去作品からの改善率ではありません。

純粋モデル・入力遷移・日本語表示の自動試験と、クラウドLinuxの実GUI操作を確認しています。動画は本物のPyxel描画に固定入力を与えた無音の記録です。人による面白さの確認、Windows/macOS実機、音の実聴はまだです。

試すときは「敵はいま何を知っている？」「音を出したあと、なぜその角を曲がった？」を考えてもらえたら。聞かせる一歩と、聞かせない一歩の違いを、小さな書庫に詰めました。
