【note下書き・未投稿】見回り犬とパン屋

犬がたどるのは、人の現在地ではなく新しい匂い。
パンを三軒へ届ける途中、一個を道へ置くか、待って残すかを選ぶ小さなゲームです。歩く箱は閉じているので匂いは出ず、配達した玄関と置いた餌だけが、しばらく匂いを残します。

添付の実Pyxel映像は自動入力・無音の機能確認です。Cの最初、犬の下には古いパンが近くにあります。上の角へ新しいパンを置くと、近傍まで届いた新しい匂いへ曲がります。そのあと左の玄関へ配達し、犬が調べている間に反対へ。人が操作して楽しんだ映像や感想ではありません。

犬が受け取るのは、現在のマスと上下左右の匂いの記録だけです。記録には発生時刻・距離・匿名番号が入り、パンの全座標、人の現在地、手持ちパン数は渡しません。見た目は小さな犬ですが、判断の境界を先に決めることで「なぜ気づいたのか」を追えるようにしています。配達したパンは柵の中なので、犬に奪われません。

技術上の中心は、描画から独立した不変状態と一手の関数です。匂いの期限切れ、犬の観測、移動、食べる処理の順を固定し、Xで年齢も含めて戻します。局所記録が同じなら、人の隠れた位置や残りパンを変えても犬の選択は変わりません。

一変更比較ではCの局所候補の並べ方だけを変えました。「新しさ→距離」なら初手の犬は上、「距離→新しさ」なら下へ。盤面、寿命、入力は同じで、どちらも三軒へ届けられます。これは比較用の反実仮想で、昔の版から賢くなったという制作史ではありません。

Aでは無接触の餌ルートが18手、餌を使わず一個残す待機ルートが19手でした。短い方を常に正解にせず、一個残す選択も残しています。設計候補からはAの巡回端を広げ、Cの出発地点を上の角へ変更しました。寿命を隠れて延ばさず、新旧の匂いが実際に競合する配置にするためです。

三状況の成功列と別解、入力の長押し・状態切替、文字の範囲、既定文字コードを検査しました。一方、初見の人が匂いの理由を読めるか、その一個を使う判断を楽しめるかは、人の試遊でこれから確かめたい点です。最初の三作品への好評を、この作品への評価には数えていません。
