原稿候補・未投稿
昨日の抜け道を、今夜の世界が覚える

「小さな怪盗の三夜」は、上・中央・下の三本の道を往復して、三つの小物を部屋に持ち帰るPyxel作品です。速さや無傷の成功だけを求めるのではなく、前夜への反応を眺めながら別の道も歩ける、小さな潜入物語を目指しました。

覚えられるのは、直前の夜に一度でも通った門だけです。往復したから二倍厳しくなることはありません。使わなかった門の警備は薄くなり、どこも永久封鎖されません。番人はプレイヤーの入力を先読みせず、公開された二刻または三刻の周期で動きます。

道を変えなくても、門の手前で一度待つ理由があります。逆に、違う窓から見える道を選ぶのも合理的です。持ち帰る品は能力を強めず、部屋の飾りが増えるだけ。失敗しても失うのはその夜の進行だけです。

実装では状態更新を描画から独立させ、警備27通りすべてから三つの経路それぞれの往復を検査しました。A/B/Cで複数の三夜入力を保存し、前夜へ反応しない比較版にも同じ入力で三品を持ち帰れることを確認しています。これは到達性の技術確認で、人が悩む楽しさの証明ではありません。

映像は実際のPyxel描画に自動入力した無音の記録です。人の試遊や公開反応はまだありません。次に人へ聞くなら、「警備が変わった理由を自分の行動で説明できたか」「同じ道を工夫したくなったか、別の道へ行きたくなったか」。この小さな世界の記憶が、遊びの理由になっているかを確かめたいと思います。
