原稿候補・未投稿
閉めた店の横に、帰り道ができる

お祭りの終わりには、にぎやかさが静かになる順番があります。『お祭りのあと一時間』では、茶店、面屋、花火屋を六つの時間枠で片付けながら、三人の客を見送ります。

中心のルールは、店を閉めると脇道が開くこと。閉店が売上の終了だけでなく、誰かの帰り道を変える出来事になります。営業を少し長く続けることも、遠い人を案内することも、別の道を先に開けることもできます。

案内をしても客の希望は変えません。その刻の歩数が一辺から二辺になるだけで、行きたかった店へ着いたら止まります。もう閉めた店へ行きたかった人には「今回は見送り」。願いの成否と売上、帰りの早さを横並びに残し、善悪の総合点へまとめないようにしました。

技術検査では客全員の経路を同じ古い位置から計算し、同時に動かします。閉店と到着が同じ刻なら買物できないこと、案内の途中で店へ着いたら出口へ続かないこと、六刻後は帰路だけで追加売上がないことを検査しています。道が開かない比較版も、同じ店と客、同じ閉店入力で帰宅できるようにしています。

映像は実際のPyxel描画に自動入力した無音の記録です。機能確認と人の体験は分けており、初見の人が閉め順にどんな意味を感じるかは確認待ち。「最後まで残した店に理由があったか」「全員が帰った広場に、どんな終わり方が残ったか」を聞いてみたい作品です。
